結局は”戦争ジャンキー”映画?ブラッド・ピット主演の戦争映画「フューリー」を観た感想。

先日、前から気になっていたブラッド・ピット主演の戦争映画「フューリー」を観た。

「ティーガーI」という本物の戦車を使って撮影したことで、一部の軍事モノ好きの人たちの間で結構話題になった作品。

1945年4月、ナチスがはびこるドイツに総攻撃を仕掛ける連合軍に、ウォーダディーというニックネームのアメリカ人兵士(ブラッド・ピット)がいた。カリスマ性のあるベテラン兵士である彼は、自らフューリーと名付けたアメリカ製の中戦車シャーマンM4に3人の兵士と一緒に乗っていた。そんなある日、ウォーダディーの部隊に新兵ノーマン(ローガン・ラーマン)が加わることになり……。

参照元http://www.cinematoday.jp/movie/T0019384(シネマトゥデイ)

アメリカ、イギリス、オーストラリア、フィンランドなどでは興行収入1位を獲得。日本でも初登場2位につけるあたり、戦争映画もまだまだ人気があるんだなと。

監督は「ワイルド・スピード」(2001年)の脚本で有名なデヴィッド・エアー。警察映画をよく撮る監督で、個人的には「エンド・オブ・ウォッチ」が結構よかったなという印象。いくつか賞も取っている。

話はさておき、せっかくなので「フューリー」の感想を。もちろんネタバレを含むのでまだ見てない人は要注意です。

photo by http://cia-film.blogspot.jp/

映画「フューリー」の感想

久しぶりのブラピの演技に痺れる。

まず率直に、期待していたよりも楽しめた。

さすが戦闘シーンは前評判通りかなり迫力があったし、特に銃の弾道に特殊な映像効果がなされていて(レーザーみたいに光る)臨場感がすごい。

ブラッド・ピットの作品を見るのは久しぶりだったが、やはり存在感は抜群。痺れました。

やっぱりブラッド・ピットは一癖ある(ちょっとクレイジーな)役どころが最高にいい。今回は結構クールキャラだったが、個人的には「12モンキーズ」のハッピーでクレイジーな演技が最もツボ。

あと、他の脇役の演技もなかな優秀。焦点を当てる登場人物が少なかったというのがよかったのかもしれない。

だがしかし…短い。

全体としては観て後悔はなかったが、それでもやはり、過去の名作と呼ばれる戦争映画に比べるとちょっと物足りない部分もある。

例えば全体の上映時間が短いということ。これは仕方がないのかもしれないが、やはり戦争映画は長ければ長いほど見る側も疲弊してくるので、「極限状態」という印象がより鮮明に印象づけるにはそれなりに上映時間の長さが必要。

これはあくまで僕の好みだが、「戦争映画は消耗するほど長くなければならない」というのが持論。自分としてはそれなりに的を得ているのではと思っているが、どうだろうか。

大きな戦闘シーンもだいたい3回くらいだったかな。百戦錬磨の戦車部隊という設定だったが、もうちょっといろんなパターンでの戦いを見たかった。

結局は”戦争ジャンキー”たちの話なの?

あと内面的な葛藤などをもう少し鮮明に描いて欲しかったなとも思う。ここは戦争映画の醍醐味かと(しっかり描かれている作品は少ないが)。そういう意味ではノーマンという新人兵士がその役目だったが、あと一歩といったところ。

ストーリーは、ある意味”戦争ジャンキー”な人たちと無垢なノーマン新兵という構図があって、次第にノーマンが戦争に染まり、体も心も飲み込まれていくというものだが、できればもうひとひねり欲しかった。例えばその中間の性格を持つ人物がいてかき乱してくるとか、戦争ジャンキーな仲間たちの過去が実に葛藤に満ちたものだとか。

また、劇中で登場するドイツ人美女の描かれ方も同じで、あと一歩踏み込んでほしい。この子が登場する役割は「戦場はこういうところだ」と言うためなのだろうが、前置きのシーンが長過ぎるわりに結末があっけなさすぎるし、この辺りももうひとひねりが欲しかった。

結局、ノーマンも最終的には”戦争ジャンキー”な人たちの仲間入りをしてしまうのだが、それに至までの決心や理由、葛藤のようなものが弱いので、ただ戦うことが正当化されてしまっているような印象。これはいただけない。

何はともあれ、個人的に評価するならだいたい60点くらい。ちょっと厳しめだが(そして偉そう)、戦闘シーン、登場人物の演技は最高だけど、あまり心に残る物がない、といった映画だった。悪く言えば「ただのバトルもの」というか。

おそらくもう一時間長ければ(観る人は減るとは思いますが)、もっと奥行きのある作品になったかもしれない。そういう意味ではちょっと残念。

おわりに

精通しているというほどではないが、戦争映画は高校生くらいの頃から好きでよく見ています。

そのうちおすすめ映画などをまとめて紹介できればと思いますので乞うご期待。